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   < コラム >  

  日本の精神医療はこれでいいのか

  イタリアでは1978年に新精神保健法(別名バザーリア法)が成立して精神病院が全廃され、地域の
精神保健センターが精神病者を支援する体制に転換されています。  

  その改革の根底にあるのは「精神疾患は脳機能への生物学的な治療だけで解決出来るものではな
く、疾患の根本にある人間的な苦悩に対する人間的な関わりや社会的にその個人の存在が承認され
ることによって改善されていく」という哲学であり、それに基づき隔離から共生(地域ケアシステム)に転
換されたのです。

  尤も、強制入院が必要な場合に限って最長7日までの入院が認められています。

  これに対して、日本の精神医療の現状はまことに悲惨なものです。

精神科病床数は35万床あり31万人が入院しており(2009年)、単位人口あたりの入院者は世界で断トツ
のトップなのです。  
  しかも、1年以上の長期入院者が20万人以上もおり、その中には入院の必要がない社会的入院の人
が半分以上いるだろうと云われているのです。

  最近、日本の精神医療の実態を見極めた若手医師らから猛烈な精神医療批判及び治る本当の医療
の提唱がなされており、各地で講演会を開いて情報の発信を行っています。
 ただし、それらの活動は新聞等に書かれることがなく、ネットから動画として配信されています。

  彼らに共通する主張は、精神医学そのものの否定、向精神薬の薬害、薬漬けにより儲けている病院
や製薬会社、治らない薬物療法から脱却して栄養療法や精神療法による治療への転換などです。

  精神医学の非科学性については、ずっと以前からアメリカの精神科医などから上がっていました。

しかし、これまで私を含めて日本人の多くに共有されていなかった面がありますので、どういう点で非科
学なのかを以下に整理します。

1  精神疾患の遺伝的・生物学的原因に関する説得力のある科学的な証明は、未だ一つもなさ
 れていない
。  
  精神病者の脳に生化学的不均衡があると診断されているが、生化学的不均衡を証拠立てるような
 検査、つまり、精神病の有無を確定するための血液検査その他生物学的な検査方法が存在し
 ない。
  その意味で精神疾患は医学的な根拠に基づく疾患ではない。

2  精神疾患の原因は分からない。  疾患を治療する手段を我々は未だ持っていない。 
 精神疾患を治すことが出来るというのは、幻想に過ぎない。

3  精神疾患を治療出来ると考えることが出来た時代は終わった。  精神病者は自分の病気と共存
 することを学ばなければならない。

4  向精神薬がどのように脳に作用するかよく分かっていない為、起こるかもしれない副作用も
 予測出来ない。


   向精神薬は自殺の可能性を2倍にする可能性もあり、長期間摂取することで身体的・精神的な害
 が生涯残ることについては証明されているのにないがしろにされている。

5  DSM(米国精神医学会の精神疾患の診断統計マニュアル)は、科学的な根拠に基づかない多数決
 で決められた政治的な症状の分類システムに過ぎない。  
   精神疾患の病名を増やしたことが精神薬の使用量を増やすことに繋がり、製薬会社の利益に貢献
 しただけである。

  このような見解は先の精神医療を批判する若手医師らに共有されており、彼らのクリニックには向精
神薬で一向によくならなかった患者が通って来て、向精神薬の減薬又は廃止、栄養療法や漢方その他
代替医療により症状が改善していると云います。

  医療費が年々増大して国家財政を圧迫する中、その一方で麻薬と実質的に変わりない向精神薬の
薬害により死亡したり、症状が悪化したり、薬依存から抜け切れなくなったり、副作用に苦しめられてい
る患者が多くいるという実態があります。

  イタリアで出来たことが日本でどうして出来ないのだろうかと思うところです。


                                            2017.10.26
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