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                          行政書士田中 明事務所


   < コラム >
 
   ここがおかしい連帯保証契約の現場    
                             参考 →泣かない連帯保証人になる方法   

     連帯保証契約の現場で実際起こっていることは次の3つに整理出来ます。

 (1)債権者は連帯保証の内容を説明せず保証意思の確認だけで済ませている。

     現状では債務者が連帯保証人を探して来ます。  つまり、債権者は連帯保証契約の媒介を債務者に
   委託しているのです。  そして、債権者は連帯保証人に保証意思を形式的に電話で確認するだけであり、
   保証の意味、連帯保証人のリスクなどを連帯保証人に説明することはありません。  
   これはなぜなのでしょう・・・・。
                          
     連帯保証の内容について説明する義務は、法律上規定された義務ではないのです。   つまり、融資は
   金融商品の販売とはみなされず、「金融商品の販売等に関する法」で規定する説明義務は適用されませんし、
   消費者契約法の説明義務も努力義務とされているからです。
                          
     従って、銀行その他債権者の説明義務は信義則上の義務に過ぎず、違反しても連帯保証人から損害賠償や
   契約の無効を主張される恐れがないからです。
 
   尤も、金融庁は2003年(平成15年)から事務ガイドラインで銀行に与信取引に関し説明義務の徹底を
    指導してはいます。


 (2) 債権者は連帯保証人に面前自署を求めないし保証契約書も交付しない。

     債務者が持って来た連帯保証契約書に連帯保証人が署名・捺印すれば終わりで、その後から債権者が面前
   自署を求めて来ることがないというのが一般的です。    また、銀行との契約書は差し入れ方式であり、連帯
   保証人には交付されません。
                          
     法律上、連帯保証契約書の交付義務があるのは消費者金融業者だけです。
                          ↓
     平成17年の民法改正で連帯保証契約書が作成されないと無効とされましたが、契約書の交付義務までは
    規定されていないのです。

 (3) 債務者の取引状況や信用状態について債務者も債権者も説明しない。

     連帯保証契約とは債権者のみに利益を与えて連帯保証人には不利益しか与えず、連帯保証人は解除権な
   ど解消する手段も持たない片務的な契約です。  債務者も債権者も「大丈夫ですから」とか「迷惑を掛けませ
   んから」とか漠然とただ安心させるような言葉しか言わないのです。

     結局、債務者がどんな経済状態になっているかなんて全然知らないでただ債務者を信じて連帯保証人に
   なっているのが現状なのです。
                          
     連帯保証人になるということは債務者との情義的な関係を基礎にした無償の慈善行為なのです。
                          ↓
     このような情義的連帯保証人に債権回収不能のリスクを転嫁するということは、そもそも社会
     正義に反するのではないでしょうか・・・・。
 

                    <参考資料>
         ・平野 裕之著 「保証人保護の判例総合解説」  信山社
         ・連帯保証人制度の改正についての意見書  椎名麻紗枝弁護士
         ・銀行の貸し手責任を問う会
         ・印鑑社会の落とし穴  椎名麻紗枝弁護士
         ・「ビジネスとしての不良債権」  不良債権ビジネス研究会  アーク出版
         ・「借りたカネはやっぱり返すな!」 八木宏之監修  アスコム
                


   <付記>
 
     思えば思うほど、連帯保証契約というのはおかしな契約です。  極論すれば連帯保証人になる人という
   のは、連帯保証人の責任の重大さを余り認識せずただ何となく自分に責任は及ばないだろうと誤信している
   のです。
     逆にそうだからこそ、連帯保証人などになったとも言えるのです。  一種の錯誤に近い状態で連帯保証
   人になった人に、自己責任や契約の拘束力といった商行為の原則をそのまま適用していいとは到底思えない
   のです。
                          
     明治29年制定の民法の方がもう古くなったのです。  即刻こんな連帯保証の条項廃止するか改正すべき
   です。  改正するとしたら、債務者が破産した時の連帯保証人の解除権は絶対認めるべきです。  現在の
   破産法では主債務者が免責となっても連帯保証人には及ばず連帯保証人が主債務者の免責後に弁済しても
   主債務者には求償出来ません。

               参照 → 連帯保証人を奴隷扱いする破産法
                          
 
     さて、サービサー法の施行(平成11年2月)から状況は一変しました。  金融機関がサービサーに不良
   債権を売却した場合、売却損は直接償却されるので節税効果があるのです。

                    直接償却の節税効果って何?

     一方、サービサーは簿価の5〜10%の値段で引き取っています。  連帯保証人は、サービサーからその
   値段+αで買取る時代が来たのです。
                                            (平成19年8月記す)


<付記2>
  今の民法は明治29年(1896年)に成立・公布され、明治31年(1898年)7月16日に施行されたもので、契約法の分野は
ほとんど改正されることなく現在に至っていましたが、契約法の大改正法が本国会で成立し施行は平成31年頃(2019年)
とされています。
 その中で、個人の連帯保証契約については上記で述べました疑問点に対する考慮がなされているように思われます。


 まず、個人が連帯保証人になるには公正証書でその意思表示をすることが必要になります。

 会社の経営者等以外の個人が連帯保証人になるには、保証契約締結の1ヶ月以内に公正証書で連帯保証人に
なる旨の意思表示をしていることが
必要となりました。
   そして、それをしていない場合は保証契約の効力が生じないことになります。
   ただし、債務者が法人である場合で
    イ 保証人となる者が理事、   ロ 取締役等の経営者、  
    ハ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を有する個人株主、   ニ 主たる債務者の共同事業者、   
    ホ 主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者
   が保証人になる場合は、公正証書の作成が不要とされました。

 次に、保証人に重要事項に誤信があった場合には、保証契約を取消すことが出来ます。

   主たる債務者は保証契約を締結しようとする時、保証人に対して、財務及び収支の状況、主たる債務以外に
 負担している債務の有無並びにその額及び履行状況等の重要事項に関し、情報提供する義務が
定められ
 ました。

   もしそれを懈怠したり、事実と異なった情報を提供した為に保証人が誤信していた場合には、保証人は保証契約
 を取消し出来ることになりました。


                       権利行使は、内容証明郵便で  
           

         
サービサーとの交渉の仕方が分らないという方は、当事務所まで是非ご相談下さい。          
  
                       
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