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   [ コラム ]  割賦販売法を今直ぐ抜本的に改正せよ!  
                          参考
 →こうやって支払停止の抗弁をせよ!

 
 平成21年12月1日施行の改正割賦販売法には要望がかなり盛り込まれておりますが、
 まだ実現していないこともあり、また法改正の歴史を知って貰う意味でもこのまま掲載します。

 

  割賦販売法第30条の4で支払停止の抗弁の規定が創設されたのは、昭和59年(1984年)のことです
からもう21年前になります。  この改正があるまではまことに悲惨な状況が全国の到る所で見られた
のです。  今でもそうですが、商品の売買契約とクレジット契約は別の契約とされています。  その
結果、営業員に騙されて契約した場合でも販売店が倒産した場合でも、そんなことは一切クレジット会
社に対して抗弁出来ずクレジット会社からの厳しい督促に晒されていたのです。
                            
  その頃は金利を年50%以上も取るサラ金の取立てが社会問題になっていて新聞紙上を連日賑わし、
貸金業規制法という新法が制定される契機になりました。  その陰に隠れて目だたなかっただけで
クレジット会社もまたサラ金と変わりない督促をしていたのも事実でした。  クレジット会社から理不尽
な請求を受けた消費者の中にクレジット会社に対し訴訟を提起する人もおり、裁判所としては信義則を
適用して救済を図っていました。  しかし、そのような法の恩恵を享受出来た人というのはほんの一握
りであったはずです。  多くの消費者は、泣き寝入りをしていたのです。
                             
  支払停止の抗弁というのはそのような判例理論を明文化したものです。 これにより、販売店に対して
抗弁出来る事由があれば全てクレジット会社に対しても対抗出来ることになったのですから、大変画期
的な法改正だったのです。
                             
  これ以降ではつい最近ですがエステ、学習塾、家庭教師派遣、英会話教室などの継続的役務提供が
指定役務に追加されました。  また、マルチの中途解約も支払停止の抗弁の対象になりました。
  しかし、悪徳業者というのは目敏いものです。  最近では中小自営業者が商行為性を主張されて支
払停止の抗弁を拒否されるケース、役務提供の業者が倒産直前にマンスリー・クリアという1回払いのク
レジット契約を結ばせ倒産により大部分の役務が不履行となっても、残存役務分の代金は返還されず泣
き寝入りというケースが増えています。

   <近時の被害事例> 英会話教師派遣業株式会社エデュケアシステムの破産
                   
〜 マンスリー・クリアによる被害者2千人以上   → 詳細
                             
  これらの事案では割賦販売法が適用されず救済する術がないのです。  割賦販売法の抜本的な改正
が望まれる所以です。
  経済産業省は、通産省の時代からクレジット会社に対し加盟店管理の強化を通達で何度も要請しては
来ました。  しかし、法的な拘束力のない通達では、実効性が期待出来ないのも当然です。
  実態としてクレジット会社の加盟店管理などは単なるお題目に過ぎず、クレジット会社と加盟店は持ち
つ持たれつの関係、或いは一体的な関係にありますから、加盟店の経営が悪化していることを知ったとして
もクレジット会社が加盟店契約を打ち切ることまでは通常しないのです。
  例えば、英会話講師派遣業の加盟店に倒産の兆候を察知しマンスリー・クリアの顧客に損害が発生する
危険を予見し得たとしても、クレジット会社がマンスリー・クリアの契約をさせないよう指導するかといえばそ
んなことは絶対期待出来ない話です。
                            
  クレジット会社が加盟店管理を強化してくれれば消費者の被害を未然に予防出来るという考えは絵空事に
過ぎません。  クレジット会社の加盟店獲得競争が熾烈化している現状では出来る限り多くの加盟店を獲
得しかつ維持しておく方が優位に立つのであり、その結果、加盟店審査も名ばかりとなって悪徳業者と知り
つつも加盟店に取り込んでいるのが実態なのです。
  このような実態を直視すれば、売買契約とクレジット契約は別契約であるとする従来の法理論が如何に
現状と齟齬を来しているかは明らかです。
                            
                            
  この法理論はもはや説得力を持ちません。  クレジット契約の締結について言えば、加盟店がクレジット
会社の代行機関化しており、またクレジットの審査が通れば加盟店に立替金という現金が一括で支払われ
るのです。
  このクレジット契約の構造からすれば、加盟店とクレジット会社とは一体的な結合関係があると認定され
て然るべきであり、売買契約が解消されればクレジット契約も同時に解消されるとするのが最も合理的です。  
そうすれば、商行為であってもマンスリー・クリアであっても消費者救済が図れます。
  この考えは千葉恵美子名古屋大学教授らによって主張されている有力な学説ですが、いまだ主流とはな
り得ていません。
  今の現状は悪徳業者にクレジット契約が悪用される余地があり、消費者の犠牲の上にクレジット会社が
利益を得ていると非難されても致し方ない面があります。

  割賦販売法の抜本的な改正の時期が来ていると考える次第です。
                                  ( 2005年12月記す )

       改正割賦販売法が平成21年12月1日から施行されています。
             
詳細については → 消費生活安心ガイド

        なお、改正割賦販売法は施行日以降の契約から適用されます
       参考 改正特定商取引法と改正割賦販売法でどう変わったか   

                            
     <参考資料>
        ・クレジット被害対策全国連絡会基調報告
       ・弁護士紀藤正樹のリンクトップニュース
       ・名古屋大学法科大学院千葉恵美子研究室
       ・梶村太市、深澤利一、石田賢一編「割賦販売法」 青林書院 2000.4刊



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