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       こうやって支払停止の抗弁をせよ!
               ~ クレジットの契約構造・支払停止の抗弁事由・商行為 ~


 
レンタルオーナー商法は隠れマルチ


  最近、レンタルオーナーという妙な契約に関する相談が、消費生活センターに2012年以降年数百件も
あると云います。   しかし、注意喚起をするだけで、判例がまだないこともあって実際の被害者救済の
方法については全く触れられていません。

 最近、当事務所にもレンタルオーナーに関する相談がボチボチ来るようになりました。  2年経過した頃
からレンタル料の支払いがストップして、クレジットの残債180万円だけが残ったというものです。

<事例>
 イ 会社員のCはファミレスでAからトライクレンタル事業への参加を勧誘される。 中古トライク(232万円)
  をAの紹介する専門店Bと販売契約を締結してオーナーになる。 

   同時にレンタル代理店とトライクの賃貸借契約を締結するので、トライクは直接引渡 されず代理店を
  経てリゾートホテル等にレンタルされる。  

   トライク購入代金の支払いはクレジットにする(毎月3万円の84回の分割)。

 ロ トライクのオーナーにはAから毎月のクレジット分割金+232万円の1%が毎月支払われる他、新規の
  オーナーを開拓すると紹介料として15000円が支払われる。

   Aは「7年間のクレジット支払期間中は、Aの毎月の支払いが止まることはない」と念を押したので、
  CはAとの取引に同意した。

 ハ しかし、2年1ヶ月後からAの支払いが停止し、レンタル代理店も2社が倒産した。 


  以下はクレジット会社に支払停止の抗弁の主張をするに際し、私が思い付いた法律構成です。

1  まず、 AC間の取引は、以下の理由で販売あっせん型の連鎖販売取引(マルチ商法、特定商取引
 法第
33)と考えられます。

  イ Aはレンタル用トライクのオーナー兼個人特約店の開拓(販売のあっせん) をしている。

 ロ Aは特定利益
(毎月のクレジット代金相当額とトライク購入代金の1%合計額及び紹介料)
  を収受し得ることをもって誘引し、Cがトライク購入代金
232万円という特定負担を伴うこと
  を条件にレンタル用トライクのオーナー兼個人特約店になる取引である。 

   Cは会社員であるから、取引は無店舗個人契約である

                             
 ハ Aはトライクの販売をBに委託している。 BとAは提携関係にあり、BはAから紹介された
   顧客とトライクの販売契約を締結して、トライクをレンタル代理店に直接引渡している。

   Aは一般連鎖販売業者であり
(特定商取引法第33条の2)、Bはその補助者である。
  
2  次に、Aからの支払いが2年1ヶ月後から停止していることから、Aが「7年間のクレジット支払期間中は、
 Aの毎月の支払いが止まることはない」と云ったのは、不実の告知になります。

3  よって、CはAとの取引を取消出来ます。  その結果、この取引を前提とするトライクの販売契約
 は無効となり、クレジット会社に対し支払停止の抗弁事由を主張出来ます。


4  ただし、連鎖販売取引に関する概要書面も契約書面もAから交付されていません。

 これでは、クレジット会社からクレジット契約の表面に現れていない裏の事情と見做され兼ねません。
 そこで、二次的にトライクの納車未了を支払停止の抗弁として主張します。

5  クレジット会社はクレジット契約書を交付していませんが、これはCとBの販売契約を通販と見做し
 ているからです。
 
   しかし、Cは広告を見て郵便等で申込をした訳ではないので、通販ではなく、ファミレスでの契約で
 すから訪問販売になり、クレジット会社は申込書面と契約書面の2つを交付する義務があります。

   クレジット会社は特定商取引法に違反し、納車未了に関しては割賦販売法の加盟店調査
 管理義務に違反しており、販売契約とクレジット契約は共に不適切な契約です。

  最高裁判例に拠り信義則からクレジット会社の支払請求を拒み得ます。
 

  さて、レンタルオーナー商法というのは、7年間約束通りの支払いがあるとすれば、オーナーはクレジ
ット代金の支払いを免れる上に168万円程度の収益が入って来ることになります。

  低金利の時代にこんなうまい話はないでしょう。  しかし、うまい話には落とし穴があるのです。

  トライクとはアメリカのハーレーダビッドソン社製の三輪バイクで、700㏄以上の大型エンジンを搭載し
新車なら300万円台から400万円以上する高級バイクです。  
  しかし、トライクのレンタルの需要がどれ程あるのか甚だ疑問です。 

  ネットで調べても、沖縄の観光地の広告にトライクの名が見られるものの、星野リゾートやヒルトンホテル
やハウステンボスなどのHPではトライクのレンタルという文字を見ることが出来ません。

  リゾートホテルの観光客の中にトライクのようなマニアックなバイクに乗りたいと思う人がどれ程いる
のでしょうか。  レンタル料そのものが廉価であり、利用者が少しいる程度では儲からないのではないか。

  実際に東京では大型バイクのレンタル店が殆ど撤退しており、千葉ではトライク専門店が多いものの
レンタル店は少ないと云います。
 
 結局、トライクレンタルの需要が大きいとは思えず、マルチ商法という顧客の開拓に限界のある商法
と絡めたレンタルオーナー商法なるものは途中で破綻するのが必至と云えるのです。
 
 トライクレンタル代理店の実体はあり、一般連鎖販売業者からの振込も2年間あったとなれば、
詐欺で告訴しようにも警察
は動かない可能性があります。

 とすれば、クレジット会社に支払停止の抗弁を主張して和解するという民事的解決しかありません。

 なお、レンタルオーナー商法の商品としては、トライクの他にパチスロ機、太陽光発電のパネル、
コンテナ、クレジットカード決済端末機、ウォーターサーバー、FAXなどの情報通信機器があります。



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