職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第142号
                     平成29年12月13日発行
           職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

                       今回の目次
                □ 
改正消費者契約法について



 平成29年6月3日から改正消費者契約法が施行されています。
本改正のポイントは、過量販売・次々販売の取消権の創設、不実の告知に係る重要事項に動機部分
に関する事由の付加などです。

 今日は改正ポイントについて解説致します。



1 消費者契約法第4条4項による取消  平成29年6月3日に4項が創設されました

   事業者が「物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの分量、回数又は期間
 が当該消費者に
とっての通常の分量等を著しく超えるもの」と知りつつ勧誘した場合に、販売契約を
 取消すことが出来ます。


   高齢者や障害者の判断能力の低下等につけ込んで不必要な商品の購入等をさせる勧誘行為(
 つけ込み型不当勧誘行為)を想定したもので、
同法第4条4項前段が過量販売、同法第4条4項後段
 が
次々販売と云われるものです。

   なお、訪問販売による過量販売契約(いわゆる次々販売)に該当する場合には、特定商取引法
 により販売契約の撤回・解除(特定商取引法第9条の2)が出来ますが、訪問販売以外での過量販売
 契約の場合でも消費者契約法第4条4項が適用されて取消が可能となります。


2 不実の告知に係る重要事項に動機部分に関する事由(契約の目的物に関し
 ない事項)が付加されました。


<事例>
 『 シロアリ駆除業者が無料で点検しますと訪問して来て、床下を点検して貰うと「柱
  の一部がシロアリにやられています」と言われた。 そこでシロアリ駆除を依頼した。 
   しかし、後になって調べて見ると、シロアリは初めからいなかった。 』


    これは、いわゆる点検商法と呼ばれるものです。
  業者は、シロアリ駆除契約の勧誘に際し、シロアリがいないのに「シロアリがいる」と
  告げている

                   ↓
   「 シロアリがいる」は、消費者がシロアリ駆除契約の締結をするか否かの判断に
    通常影響を及ぼすものですが、
シロアリ駆除契約の内容や条件に関するもので
    はなく、契約締結
の前提となる事実つまり動機に関わる事項の不実の告知です。

                          
    判例には「消費者契約法第4条1項1号にいう
重要事項は本件商品自体の品質や性質、
   対価等のほか本件建物への本件商品の設置の必要性、相当性等が含まれるもの

   解すべきである
」として、「床下がかなり湿っている。このままでは家が危ない」と説明した
   ことにつき重要事項に当たるとして不実の告知による取消を認めたものがありました。
                                 (東京地裁平成17年3月10日判決)



     これまでは裁判で認められる場合があるという程度であった動機に関わる事項の
   不実の告知に係る取消は、

   改正消費者法(平成29年6月3日施行)に
新設された同法第4条5項3号により認められる
   ことになったのです。
  

  「 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該消費者の生命、
   身体、財産その他の重要な利益についての
損害又は危険を回避するために通常必要
   
であると判断される事情」  (消費者契約法第4条5項3号)


    
「重要事項」に動機部分に関する事由が付加された結果、上記のようなシロアリ点検
  商法の他、


    原野商法(市場流通性の認められない山林を売却可能性があるからと勧誘されて、測量
  等をしなければ山林の売却による利益を得ることが出来ないと考えて測量契約と広告掲載
  契約を締結した場合など)、

   
   
悪徳リース提携商法
(電話回線がアナログからデジタルに変わるので今までの電話が
  使えなくなりますと勧誘されて高額な通信機器のリース契約を締結した場合)なども不実の
  告知により取消が認められることになりました。

    
3 取消権の行使期間が1年に伸長されています(消費者契約法第7条1項)。


4 
取消の効果規定が新設されました(消費者契約法第6条の2).。

   消費者取消権行使後の消費者の返還義務は、現在と同じ現存利益に限定されます。
  ただし、本規定の施行は改正民法の施行日からです(改正法附則1条但書2号)。


5 法定解除権排除条項を無効とする不当条項規定の新設(消費者契約法第8条の2)

  イ 事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項、

  ロ 消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた
    瑕疵(請負契約の場合は、仕事の目的物に瑕疵)があることにより生じた消費者の
    解除権を放棄させる条項

  については例外なく無効とされました。


6 10条前段の例示としての意思表示擬制条項の追加

  「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな契約の申込み又はその承諾の
   意思表示をしたものとみなす条項」 が条文の先頭に追加されています。




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