職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第147号
                     平成30年7月4日発行
           職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

                       今回の目次
              □ 「狭義の名義貸し」
に関する最高裁判決



  資金繰りに困り将来の見通しも立たない破産一歩手前の販売店が一時的延命の為に手を染め
る不正行為に顧客の名義を悪用した名義貸しがあります。

  これは、空売りなのに売買契約が成立したかに見せかけて名義貸人にクレジット契約を締結さ
せ、クレジット会社から違法に立替金を取得するというものです。

  この行為をやった販売店はまもなく倒産して雲隠れしてしまうのが通常で、その後にはクレジ
ット債務を名義貸人が負担するのかという民事上の問題が残ります。


  ところで、名義貸しには、無断で顧客の名義を使う「名義冒用」と、顧客の承諾を得て名義を
使う「狭義の名義貸し」があります。

  判例では、「名義冒用」の場合は名義貸人の責任がまず問われないのに対して、「狭義の名義
貸し」の場合には、平成に入ってからやっ名義貸人を救済する判決が出るようになったという苦い
歴史があります。

  つまり、名義貸人は売買契約が架空でありそれが不正行為であると常識的に理解出来る筈で
あり、販売店にわさわざ名義使用を承諾して使わせた以上は不正行為に加担している側面があり、

従って、名義貸人の責任が問えない場合というのは、名義貸人に対する支払い請求が信義則上
許されない特段の事情がある場合に限られるべきだと考える裁判官が多かったからです。

  それが平成に入って名義貸人保護の方向に梶が切られたのは、消費者契約法(平成13年4月
1日施行)により販売業者による不実の告知を理由に消費者はクレジット契約を取消出来ることに
なったことと、無関係ではないと思われます。

  HP第86号に平成に入ってからの名義貸人救済の判例を記載してあります。

  更には、動機に関わる事項の不実の告知に係る取消についても改正消費者法(平成29年
6月3日施行)で
新設された同法第4条5項3号により認められています。

  なお、訪問販売等の特定商取引法上の5類型に当て嵌まる販売契約の場合には、改正割賦
販売法(平成21年12月1日施行
)により販売業者による
不実の告知を理由に、個別クレジット契
約の取消
が出来ることになりました。

 
 さて、こおいう一連の流れを受けて、最高裁は個別クレジット契約に「狭義の名義貸し」があっ
た場合に、割賦販売法第35条3の13第1項6号により販売業者の不実の告知を理由とする名義
貸人の個別クレジット契約の取消を初めて認めました(最高裁平成29年2月21日判決)。 
       →判決本文

 本案件では、名義貸人が販売店から「クレジット代金の支払負担を不要とする」旨の説明を誤
信して名義貸を承諾したというものでした。

 最高裁は、販売店の告知の内容は「契約締結の動機に関する重要な事項に当たる」
し、それは割賦販売法第35条3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこと
となる重要なものに
当たる」と判断したのです。

 なお、同法施行規則第76条11項5号のクレジット会社の加盟店調査事項には、名義貸し事案
における申込者の支払負担を不要とする旨の虚偽説明の有無も含まれておりますから、

名義貸しにおける虚偽説明が上記不実告知の対象となる重要事項に含まれると解するのは
ごく自然だったと云えます。



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