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                   内容証明郵便でブレイク !        行政書士田中 明事務所

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                <縮こまるな、大いなる志を抱いて道を拓け!>

            
    
   相互乗り入れを認めるべし

  日本行政書士会連合会は平成15年末から研修センターを開講して司法関係の研修に力を入れており、基
底に司法参加という願いが垣間見えます。   前々から裁判所へ提出する書類に関し、裁判所も官公署だか
ら行政書士は代行作成出来ると主張する学者がいましたし、ベテラン行政書士の中には甲類審判事件(遺言
書検認や不在者財産管理人選任など)の書類作成は正当業務行為として許されると言う人もいました。    
しかし、多くの行政書士にとってはタブーと言わないまでも二の足を踏む領域だったと思います。
  日本の裁判というのは本人申請が原則になっており、自分で書いも他人に書いて貰っても本人名義であれ
ば本人申請になるのです。    このように形は本人申請であるが中身は行政書士が書いているという場合を
隠れキリシタンと呼ぶそうです。
  結局、行政書士に能力があれば本人よりうまく書けるはずですし、裁判所にとってもそれを封じる理由はなく、
依頼者にとってもワンストップサービスというメリットがあります。
  これも明らかに実態と法律との間に齟齬を来たしている例だと思います。   弁護士会や司法書士会は現
行法を盾に独占権を主張しますが、そこには市民にとって法律サービスはどうあるべきかという哲学が感じら
れません。
  市民が一番望むのは利便性であり、その為にはワンストップサービスがいいのです。 
行政書士に内容証明郵便を依頼し、それで解決しない場合は少額訴訟の訴状や特定調停の申立書も書いて
貰える。   こうなって始めてワンストップなのです。 
   
                             
 現代の日本は欧米と少しの遜色も無い法治国家です。   何でもまず法律ありきです。
しかし、日本人の意識として法律への関心はそんなに高くないのではないか。    なぜそうかと云えば、一度
作られた法律は中々改正されないからです。   民主主義ですから現状との齟齬(法律と現状がフィットしてい
ない)が生じたらいくらでも改正していいはずなのです。
  しかし、現実は中々そうではなく、国民の声が弱いのか届かないのか国会や政府が改正や 新法に動き始め
るのはずっと後になってからというのが実に多いのです。
  現状とはとっくに合わなくなっている法律がいつまでも改正されず放置されたままになっていることは国の不
作為そのものです。    そんな法律に弁護士法72条があります。
実際に法律事務というのは弁護士が独占している訳ではなく、他の士業法も法律事務を一部行っています。    
この法律事務の解釈でも事件性必要説が通説となっています。
  事実として法律事務を弁護士が独占しているのでないにも拘わらず、一般の人が弁護士法2条を素直に読む
と法律事務は弁護士の独占事務であるかのように読めなくもないのです。  
現に全ての法律事務は事件性の有無に関係なく弁護士の独占業務とするのが日弁連の見解です。 
  この結果、残念なことに他の士業者が自分の業務範囲を狭く捉えそれに閉じこもり正当な業務の範囲内と思
われる法律事務まで自粛してしまうということが起っているのです。   これが、弁護士法72条が改正されずに
放置されていることの弊害です。 
                          
  ここに、大変重要な最高裁判例があります。
「形式的には、他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為であっ
ても、みだりに訴訟を誘発したり、紛争を助長したりするほか、弁護士法72条本文の禁止を潜脱する行為をして、
国民の法律生活上の利益に対し弊害をもたらすことが 生じる
おそれがなく、社会経済的に正当な業務の
範囲内にあると認められ場合
には、同法73条に違反するものではないと解するのが相当である」 
           (平成14年1月22日最高裁第三小法定判決)

  これは、弁護士法73条の解釈に関する最高裁の判断ですが、弁護士72条の解釈についても恐らく同様の判断
がなされるものと考えられているのです。    この判例は相互乗り入れの許容される範囲を示すことによって
相互乗り入れを先取りしていると私は考えるのです。
                                                2011.3.4



                      行政書士田中 明事務所