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                   内容証明郵便でブレイク !     行政書士田中 明事務所

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                <縮こまるな、大いなる志を抱いて道を拓け!>

       グレーゾーン金利廃止が齎したもの

  グレーゾーン金利を廃止する改正貸金業法は平成22年6月18日から完全施行されています。  大手消費
者金融会社はそれより1年以上前から金利を利息制限法の上限まで引き下げていました。  年27%から年18
%にある日突然引き下げられるのを見て払い過ぎていたのだと初めて実感する人もいたようです。  延滞も
なく支払って来た多くの人にグレーゾーン金利部分が無効な金利だと認識して支払っていた人なんている訳
ありません。    
  しかし、もう状況は一変しました。   今では裁判を起さなくても払い過ぎていた利息は過払い金として
返還請求しさえすれば戻ってくることになっています。
                         
 
ところでこれまで優良顧客だった人が過払い返還請求をする場合、一番心配なのはカード利用が今後制限
されないだろうかということです。    いわゆる、ブラックリストに載るのではという心配です。 
 ブラックリストというのは支払能力の点で問題ありとされた人、業界用語で言えば事故を起した人のリストで
す。 

 以下のような事故を起すとブラックリストに載ると一般に言われています。

    1 自己破産、3ケ月以上の延滞  → 7年〜10年はカード使用禁止。 
    2 弁護士や司法書士の任意整理・・・裁判外での和解です。5年程度の禁止。
     その他、個人再生なども含むとされる場合があります。
                             
  さて、過払い返還請求をした人が上記1、2の事故を起していないとすれば、ブラックリストに載ることは
ないと考えられます。    過払い返還請求というのは、利息制限法に基づく正当な請求なのですから、
事故とは全く性質が異なるからです。

  次に、現在残金がある場合に、まずそれを完済してから過払い金の返還請求をすべきかという問題が
あります。   これについてははっきりした見解がありません。 
 私個人としては、8年以上も取引がある場合、残金を含めて利息制限法で再計算すれば、マイナス(過払
い)になると思われますから完済は要らないように思うのですが。  もし、カードの利用は絶対確保したいと
いう人なら一度完済として残金ゼロにしてから過払い請求するのが無難かもしれません。
                           
  最後に業界再編のことになります。  早かったのは信販業界です。  日本信販という信販業界トップの
会社は、2004年にUFJホールディングスの連結子会社となり、ニコスカードを残して日本信販という名称は全
く使用されなくなっています。 
  旧日本信販を吸収した三菱UFJニコス株式会社(三菱東京UFJ銀行の子会社)という会社は、やがて三菱
UFJフィナンシャルグループの完全子会社となり上場を廃止し、また、ニコスの信販部門を業界3位のジャッ
クスに営業譲渡しています。  
  信販各社の業績もグレーゾーン金利廃止の影響で大変悪化しています。  信販各社もこれまでは消費
者金融で稼いでおり、グレーゾーン金利に収益を依存する構造になっていた点では消費者金融会社と何ら
変わりなかったのです。

  消費者金融のアコムは三菱UFJフィナンシャル・グループが出資比率を40%に引き上げ完全子会社となり、
プロミスは三井住友フィナンシャルグループが株式の20.22%を取得し持分法適用関連会社となりました。  
  銀行の支援が得られなかった武富士は平成22年9月に会社更正法を申請して翌年認可決定され、現在
は会社分割されて鞄本保証が事業承継して不動産担保ローンのみ営業しています。

  平成13年(2001年)に信用供与額が35兆円あった消費者金融は、平成24年(2012年)には10兆円にまで
減っています。  往時を知る者から見ると隔世の感があります。
                                   2011.3.4作成   2016.7.11一部改訂 


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