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               <縮こまるな、大いなる志を抱いて道を拓け!>


   印鑑証明書の有効期限について

  欧米では重要な契約書等にサインをしてサイン証明を添付しますが、日本では印鑑を押印する慣習が
昔から定着していて印鑑が法律上も特別の意義を持っています。
  印鑑の公証事務を円滑化する為の制度として、日本には印鑑登録制度があります。  実印を市町村
役場に登録して必要な時に印鑑証明書を交付して貰い重要な文書に添付します。   印鑑証明書を添
付することで印鑑が本人の 印鑑であることが証明されて、文書の真正が担保されるのです。

  印鑑証明書を直接規定する法律はありません。  印鑑証明制度の根拠法令は、自治省の印鑑登録
証明事務処理要綱(1974年)に従って区市町村が制定した印鑑登録に関する条例です。
  この条例には印鑑証明書の有効期限に関する規定はなく、従って提出先の判断で有効期限を定めても
いいことになっているのです。

  その為、銀行や公証役場では作成後3ヶ月以内の印鑑証明書を要求して来ますし、不動産登記申請
に係る印鑑証明書は相続登記を除き作成後3ヶ月以内のものとする旨が不動産登記法施行細則44条で
定められています。

  では、なぜ有効期限を定める場合と定めない場合があるのでしょうか。    印鑑証明書の添付を求め
る目的として次の2つがあり、その目的の違いでそうなるのです。
  イ 本人の直近の意思(契約意思、登記意思など)を確認する為。
  ロ 文書の真正を担保する為。

  相続登記で遺産分割協議書に添付する印鑑証明書に有効期限がありませんが、それは上記ロの目的で
印鑑証明書を要求しているからです。  つまり、文書の印影と印鑑証明書の印影が一致していれば真正な
文書と法律上推定されるので、作成日が新しいか古いかは一切それに影響せず有効期限など不要だから
です。
 これに対し、銀行や公証役場や相続登記以外の登記申請で法務局から作成後3ヶ月以内の印鑑証明書を
要求されるのは、上記イの目的で印鑑証明書が使用されるからです。

 また、裁判で証拠として提出される印鑑証明書は、上記ロの目的で使用されるものですから、文書が金銭
消費貸借契約書であったとしても古い印鑑証明書で構わないのです。
 
  以上を整理しますと、印鑑証明書には意思確認の為と文書の真正担保の為という2つの使用目的があり、
後者の目的の場合には有効期限など不要であるが、前者の目的の場合には提出先により有効期限が定め
られているということになります。

                                                           2013.11.15記


 
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